『フェイクスピア』

天保十二年のシェイクスピア』が中止になって一年半…。未だその傷は癒えてはいないけど、ついに…ついに!高橋一生の舞台を観に行くことができたのです…。

 

野田秀樹演出作品、観るのは初めてです。たぶん。

野田作品とは昨年観た『真夏の夜の夢』が初めての触れ合い。たぶん。

こちらは演出をルーマニアのプルカレーテさんが行っていて、舞台美術が美しくてよかったなぁ。今井朋彦さんの声がめっちゃよくて、痺れたのと出ている全ての役者の身体能力の高さに驚愕したのよ。いつもテレビドラマで嫌なおじさんをしている手塚とおるさんもかっこよかった。

 

演出家は違えどやはり、世界観は同じかなぁと。題材も同じ「シェイクスピア」ということ、同じように色んな物語が組み込まれていることもあるのかもしれないけれど…。根本に流れるイデオロギーが一緒なんかなとか。知らんけど。

真夏の夜の夢』は自分が物語を知っているからか、摩訶不思議なところも消化しやすかったけれど、今回のフェイクスピアは新作だし、はじめての野田秀樹だし…ちょっと難解というかなんというか…。別に流れが分からないとかではないんだけれども、なんでしょう?

「神様から盗んだ言の葉」が実はそうではなくて…実際は死者の見る夢の中で…。落とし所はそこでいいのかな?とか思ってしまったり。ファンタジーから急にリアルになったからかな…。

野田秀樹作品の世界観に慣れるにはあと何回か観た方がいい気がします…。

高橋一生さんはもう、なんかすごい。声帯を使いこなして、声色も自由自在。声の変化がなんのひっかかりもなくスムーズであることに驚愕しました。やっぱり舞台経験豊富な人っていいなぁ。

一生さん、野田秀樹さんの変な動きに笑いが堪えきれず、同じ動きを白石佳代子さんがするとまた笑い、その動きを真似するっていう。白石さんも一生さんの動きに笑ってしまって、なんでかもう一度一生さんに同じ動きを自らリクエストして笑う、っていう一連の流れが可愛かったので忘備録。仲良しか。

他にも所々笑ってたりしてかわいかったな。

演劇好きが観客に多かったのか、ちょっとした小ネタでも大笑いだったのも割と印象的。

個人的には2時間ノンストップはちょいと長いと感じてしまって、単純な私には野田秀樹作品は高度すぎたかしら?でもつまらない!というわけでもなかったんだけど…。ほんとうに世界観を楽しめるかどうかなんだと思いました。出演している全ての俳優に高い身体能力が求められて、野田さん本人も飛んだら跳ねたりしてて、すげえ。ってなりましたね。野田さん、想像より小柄で俊敏でした。

ずっと観たかった人が観れて、その人が想像通りに凄まじい俳優さんで有名作家の作品を一度は観るという目標もひとつ達成して、新しいものを観れてとても満足はしました。

 

ちなみに2時間座りっぱなしだった私の足の浮腫は恐ろしく普段の倍ぐらいの太さになっていました…。